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健康家族とサウナ浴
 正しいサウナ入浴法 

 

 サウナの楽しみ方も、それぞれの家庭のライフスタイルや、家族の健康状態に合わせて、さまざまあるようです。
 実際、入浴と同様、サウナの入り方にも、これといった決まりはありません。
 自分の体の状態を考えて、それぞれに楽しめばよいのですが、そうはいっても、あれだけの高温乾燥浴だけに、自分流、わが家流にやっていていいのかしら?という不安を感じている人は多いようです。
 そんな方のために、ごく一般的なサウナの入り方とともに、効果的な入り方をガイドしてみましょう。


入浴時間  体調に合わせて「自分時計」でまず時間を決めます

 ごく一般的には入浴時間の目安は、10〜20分間と考えてください。しかし、サウナ浴に慣れるまでは5分程度にしてください。慣れるとともに時間を延ばしていきます。
 この時間も、時計で正確に測るよりも、自分時計−つまり、その日の自分の体調で測ればよいでしょう。
 体調が悪い時は、同じ5分、10分でも長く感じるはずですし、逆に体調の良い時は、短く感じるものです。そんな時は、体調に合わせれば良いわけです。時計とニラメッコして、無理して入ることは避けましょう。
 ちなみに、サウナに4分間入っていると、皮膚温は40Cにも上昇することがわかっています。
 サウナの効果は、温熱作用にあることはいうまでもありません。
 ぬるいサウナで60Cくらい、熱いサウナで110Cありますが、低温で長時間入浴するよりも、高温で短時間入浴するほうが、はるかに効果があります。

反復3回浴  冷水浴やお風呂と組み合わせてサウナは3回反復浴を

 入り方としては、3回反復浴がすすめられています。
 まず、体をよく石鹸などで洗って清潔にしてから、約10分間入り、汗を出します。
 続いて5分間、5分間の2回入浴をしますが、その間に冷水浴、またはシャワー浴をします。
 サウナ浴の間に、冷水浴、シャワー浴を挟むのは、ただ熱した体を冷やすというだけでなく、健康面からみて十分に意味のあることなのです。
 というのは、高温乾燥のサウナ浴では、血管は十分に拡がっています。
 この拡がった状態の血管が、水風呂や冷水シャワーを浴びると、強い刺激を受けることになり、皮膚の血管は急激に、著しく収縮するのです。
 こうした血管反応が強まることにより、交感神経が刺激され、自律神経の働きが高まるわけです。
 自立神経失調症というのは、女性に多い病気と思われがちですが、女性に限らず現代人は自律神経のバランスを崩している人が多いのです。
 こうした現代人にとって、サウナ←→冷水浴(または冷水シャワー浴)の反復は、たいへん効果があるのです。

反復浴の時間  サウナ反復浴は、長くても30分を目安に…

 また、夏はクーラー、冬は暖房と、常に外気温から守られている私たち現代人の皮膚は、外からの刺激にたいへん弱くなっています。風邪をひきやすいのも、そうした皮膚の鍛錬不足に一因が求められます。
 サウナ←→冷水浴のくり返しによる皮膚の血管反応は、皮膚自身も強くし、外からの温度差などの刺激にも、耐えることができるようになるのです。
 それぞれに自分の体重を考えて、時間浴のタイムスケジュールをつくって、反復浴をするようにすれば、自分に合ったサウナ・タイムを楽しめます。
 なお、冷水浴による皮膚の血管への強い刺激によって血管は著しく収縮し、血圧が急上昇しますから、高血圧症の人や成人病のある中・高年の人は、十分な注意が必要です。
 ともかく、こうして冷水浴を間に入れながら、3回のサウナ浴をするわけですが、この反復3回浴は長くても30分を限度とします。
 お年寄りの場合は、8分、5分の2回浴ぐらいがいいでしょう。

反復浴の影響  最高血圧が下降し、体重が減り、脈拍数の変化も小さくなる…

 冷水浴を間に挟んでの5分、5分、10分の3回反復浴によって、体にどのような影響が出るかをみてみますと、体の深部温は約1〜1.5度上昇します。
 これによって、発汗作用が促され、体内の疲労物質の排出がよく行われることになります。
 体重は400〜500グラム減ります。これも、400〜500ミリリットルの「快汗」と呼ばれるサウナの発汗作用によるものです。
 血圧は初回入浴直後に一過性に急上昇し、100度のような高温では、その後も上昇し続けますが、普通は反復にともなって、むしろ低下します。とくに最高血圧の下降が大きくなります。
 脈拍数の変化は個人差が大きいですが、入浴時間に比例して増加し、そしてサウナから出ると減少するということを繰り返し、反復に従って、変化はしだいに少なくなります。
 これは、くり返すたびに温度の負担が軽くなることを意味しています。酸素摂取量の変化は、脈拍数の変化とほぼ比例します。

温度チェック  体調・症状に合わせて、90℃を目安に80〜100℃の間

 低温で長時間入るよりも、高温で短時間入るほうがよいのでですが、いかに高温がいいといっても、あまりにも高温すぎると、お年寄りや幼児には負担がかかります。
 営業用のサウナには100Cを超えている例もありますが、家庭用のサウナの場合は、高くても90Cを限度とする方がよいでしょう。もちろん、温度は個人差が大きいので、自分の体調と症状に合わせてチェックすることが大切です。
 サウナ浴に慣れてくると、自分に合った温度をみつけられるようになってきます。
 そして、入浴前には必ず温度チェックを忘れないよう、習慣づけてください。
 低すぎては、もちろん快適なサウナ浴というわけにはいきませんし、効果も上がりません。また、高いほうがたくさん汗が出て、効果があがるようにと思って、ガマン比べのように熱いサウナで頑張っている人がいますが、これは効果どころか逆効果。時には危険すら招くこともあります。
 サウナ浴が終わったら、軽く冷水シャワーを浴びます。そして、体をよく拭いたら20〜30分間、ディベッドなどで静かに休息をとることも大切です。

入浴回数  毎週1回を目安に、4日〜3日に1回など計画的に…

 サウナ好きの人は、ホームサウナを設置すると毎日入る人が少なくありません。
 が、毎日というのは、皮膚が乾燥しすぎたり、ほかにも体に負担がかかりすぎ、かえって疲労が生じます。また、サウナに対する耐性も弱くなってしまい、効果の面でも問題があります。
 サウナ発祥の地・フィンランドでは、サウナ浴の回数は、昔から伝統的に週1回とされています。
 もっとも、サウナ好きにとっては週1回では物足りない……という人もいるでしょう。4日に1回、3日に1回といったスケジュールで、入浴時間をセーブし、体調に応じたサウナ浴をしましょう。

 



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